乾燥方法と製材の真実
木は、伐採された時には、たくさんの水分を含んでいます。
伐採時に、約70%近くある水分、を商品として使用するには、約12%ぐらいまで水分を乾燥させなくてはなりません。
水分を乾燥させるには方法が二つあります。
昔ながらの自然乾燥と、人工的に熱を加えて乾燥させる人工乾燥があります。
乾燥方法によって、木の持つ効果が全く異なるものになってしまいます。
自然乾燥は、木の持っている水分が12%ぐらいになるまで、風通しの良いところで自然に水分が抜けていくまで時間をかけてじっくりと乾燥させていきます。
一方、人工乾燥は、機械で熱を加えて短時間で水分を抜いていきます。
熱を加えることによって、木の細胞が破壊されてしまいますので、木本来の効果を発揮することが出来ません。
現在流通しているほとんどの木が、人工乾燥された木になります。
見た目は同じ木なのですが、全く別物になってしまいます。
昔は、自然乾燥一択しかありませんでしたので、調湿したりその木独特の効果を発揮していましたが、人工乾燥の木は、自然乾燥の木に比べると見た目は木ですが、木本来の効果を発揮致しません。
炭がそうであるように、湿気をとったり消臭するといわれていますが、炭の吸収することが出来る水分がMAXになってしまうと、もうそれ以上は水分を吸収することはできません。
吸収することはできても、吐き出すことが出来ないんですね。限界がやってくると、効果を発揮することが出来ませんので交換することになります。
床下が湿気るから炭を敷いた家もありましたが、炭にカビが生えて効果がなかったこともありましたからね。
木は熱には非常に弱い。
木本来の効果が無いのに、なぜ人工乾燥ばかりになったのか??
自然乾燥すると、時間とコストが物凄くかかります。
人工乾燥することによって、短時間で商品になりますし、コストも安く抑えられることの方が優先されてからです。
本当にいいものをつくるというよりも、ビジネスを優先させたからです。
世間一般では木は体に良いとか調湿しますといわれていますが、間違ったことが信じられています。
製材方法によっても調湿効果が大きく異なります。タケノコ模様が木の表面に現れる板目と、まっすぐな筋が表面に現れる柾目とに分かれます。
板目に製材された木は、酒樽や醤油樽や風呂桶のように、水分を漏らさないことが必要な用途に使われます。一方、柾目に製材された木は、すし桶やお櫃など湿気を調整してくれる用途に使用されます。
柾目に製材された木のほうが、板目に製材された木よりもはるかに調湿することになります。
もみの木ハウスで使用しているもみの木は、全て自然乾燥された柾目になります。
だから、調湿効果や消臭効果や抗菌作用、忌避効果、空条浄化作用などの付加価値が付随してきます。
玄関を開けた時の生活臭が全くしないとか、家干しで洗濯物が乾くとか、暮らす人にとって生活を楽にしてくれます。
いくら木をふんだんに使った家でも、人工乾燥で板目の木では効果がありません(汗)
製造過程を知ることで木の真実が見えてきます。