桶とおひつの違い
桶とおひつの違いをご存じですか??
風が吹けば桶屋が儲かるという言葉もあります。風が吹くと埃がたちその埃が目に入って視力を失う人が増える。
視力を失った人は三味線を買う。三味線の材料は猫の皮で猫が捕獲されると猫が減りネズミが増える。ネズミが増えると桶がかじられる。そうなると桶の修理や桶の買い替えが増えて桶屋が儲かるという話です。
この話は余談で桶は水を汲む道具として昔から使われてきました。水を汲んでためておくと水が桶からは漏れると困ります。せっかく汲んだ水が漏れて無くなってしまうと桶の意味が全く無くなってしまうことになります。
桶はもともと水を通しにくい造りになっています。これは木の製材によって大きく変わることになります。
桶は板目に製材された材料を使用しています。板目は見るとタケノコ模様のように見える材料となります。
板目は水を通しにくい木の目になりますので空気も同じことが言えます。
つまりは調湿しにくい材料になると言えます。この様に木は製材の仕方で働き方が大きく変化します。
では、おひつはどうなのか??てなりますね。
おひつは柾目で製材された材料で作られています。おひつは江戸時代から昭和30年ごろまで活躍していました。窯でご飯を炊いていた時までですね。炊飯器の普及とともに少なくなっていきました。
おひつには調湿効果があります。これは柾目材で出来ているからです。
最近の炊飯器は機能もよくなり、美味しくご飯が炊けます。保温機能があるのでいつでも温かいご飯が食べられるようになっています。でも最近おひつが見直されています。
なぜなのか??それは、おひつを使うことでご飯が美味しくなるからです。電気炊飯器の場合、どんなに機能性の高いものであっても、保温時間が長くなればご飯は温かいまま乾燥してしまいます。この時、ご飯の美味しさは湯気とともに逃げて行ってしまうからです。
でもおひつに入れたご飯は乾かない!ご飯は冷めますが、冷めてももちもちのままになります。なので美味しさは変わりません。レンジでチンして温めなおしてもそのまま美味しく食べられます。
これはおひつが余分な水分を吸い取って乾燥してくると、吸った水分を掃出します。なのでうまみを逃しません!
これと同じことが家の中でも起きています。
「木は体にいいですよ!調湿しますからね」なんて勧められても板目だとほとんど効果が無いことになります。
ただ単に木を使っているだけですから、、、、、
そこを知っている人はどれぐらいいるのだろうか??なんて思いますが、、、、
木は体に良いというイメージだけが独り歩きしてしまっていますから。
江戸時代から昭和30年頃までは自然乾燥の材料が多くあったので調湿効果に優れたおひつが使われていたのでしょう。高度成長期で人工乾燥の材料が多く出回るようになりました。人工乾燥することによって木が本来持つ成分や効能が失われてしまいます。
本当に家の空気環境を考えると自然乾燥の柾目にたどり着きます。
なのでもみの木ハウスの内装材は自然乾燥の柾目材のみとなります。