それは出来ませんが言えるかどうか
それは出来ません!!
これが言える人が本当に要るのでしょうか??
これを言ってしまうと仕事がなくなると考える方ばかりではないでしょうか??
今の建築業界の流れとして、お客様の要望を聞いてそこからプランが出来ることが、今や常識となっていますので、今の流れに逆らっていくことは誰もがしないことになります。
全て理想の家やこんな家に暮らしたいで、それを形にしていくのが建築会社の仕事になります。
お客様の要望がなければ、プランができないのが建築業界の当たり前になっています。
大きな窓が、南の壁一面に欲しいといわれると、大きな窓を南面に配置する。
そうなると、夏は暑くて日差しを遮るために、昼間でもカーテンを閉めてエアコンがよく冷えるようになってしまいます。理想の大きな窓を付けたのに、全く意味がないものになってしまいます。冬は冬で、窓から家の中の熱気が逃げることになります。窓からが一番熱が逃げることになるからです。
このことを気にして設計されるところは少ない。毎日外を見て暮らすわけでもありませんし、昼間は外からは家の中が見えにくいですが、夜になると部屋に電気をつけると外からは丸見えになってしまいます(汗)
大きな窓を壁一面に配置すると、耐力壁をバランスよく配置することが難しくなります。
他の壁面で耐力壁を配置することになりますので、他の壁面に負担が行くことになります。なので、耐震性能も悪くなりますし、家の偏心率も自然と悪くなることになります。
地震に強い家にしようとするなら、安定したバランスが必要になってきます。
そこを設計者が理解していても、お客様の要望だからと言ってそのまま進めてしまうと暮らしだしてから大きな災害が起こると、こんなはずじゃなかったのになんてことになります。大きな地震で、壁一面に入れた窓が割れたり最悪の時にはそこが原因で崩壊してしまうことさえありうることになります。
快適に暮らせない上に、安全性も損ねてしまうことになります。
そこまでしてする必要があるのか??
代償は大きなものになります。見た目のデザインなどに流されてしまうと、後悔することになりかねません。
大きな窓にすると大きなカーテンも必要になりますので、カーテン代も高くなってしまいます。
生活しているうえで、マイナスになるところは、必要がないものになりますし、プラス方向に働くのであればいいですが、そうなることのほうが少ない。
そこを理解して出来ませんといえないと、暮らしだしてからお客様も後悔することになりますし、自分も後悔することになります。
お互いが後悔することになります。そこを理解したうえで「それは出来ません」になります。