木の真実
「木の家」と聞くと、温もりや安らぎを感じ、体に良いイメージを持つ方は多いでしょう。しかし、実はその「木の家」に使われている木材が、見た目は木でも、本来の木の力を失っている可能性が高いことをご存知でしょうか?
木材は伐採してすぐには使えない!
木は伐採されたばかりの状態だと、なんと約70%もの水分を含んでいます。この水分量を約12%まで乾燥させなければ、木材として商品にすることはできません。なぜなら、水分が多いと変形したり、カビが生えたり、強度に問題が出たりするからです。
乾燥方法には2種類ある!
この木材の乾燥方法には、大きく分けて2つの方法があります。
- 自然乾燥(天然乾燥)
- 木材を屋外に立てかけ、風通しの良い場所で時間をかけて自然に水分を蒸発させる方法です。
- メリット: 木材本来の細胞を壊さず、木の持つ調湿性や香り、耐久性といった「真の力」を最大限に引き出すことができます。
- デメリット: 乾燥に非常に長い時間(数ヶ月から数年)と広いスペースが必要で、手間もコストもかかります。
- 人工乾燥(機械乾燥)
- 乾燥機の中に木材を入れ、熱を加えて強制的に水分を蒸発させる方法です。
- メリット: 短時間で大量の木材を乾燥させることができ、コストも抑えられます。
- デメリット: 熱を加えることで、木の細胞が壊れてしまい、木材が本来持っている良い成分や機能(調湿作用、香り、抗菌作用など)が失われてしまいます。例えるなら、見た目は木でも、中身は別物になってしまうのです。
なぜ人工乾燥された木材が主流なのか?
現在、市場に流通している木材のほとんどが人工乾燥されたものです。その理由は単純明快。人工乾燥の方が、安価で短期間に大量生産できるからです。
残念ながら、消費者の多くは木材の乾燥方法によってその性質が大きく異なることを知りません。「木なら何でも良い」「安ければ良い」という考えが一般的になってしまっているのが現状です。
「木」なら何でも良い、わけではない!
これは、自然界に生えているキノコに例えると分かりやすいでしょう。食用キノコもあれば、食べると命にかかわる猛毒のキノコもあります。見た目がキノコだからといって、全てが安全で食べられるわけではありませんよね。
木材も全く同じです。
乾燥方法によって、木材の持つ「力」は全く異なります。人工乾燥された木材は、本来の木の細胞が壊れているため、せっかくの木の恩恵(心地よい香り、空気の浄化作用、湿度効果など)をほとんど受けることができません。
さらに、そうした力を失った木材の上に、さらに塗料を塗ってしまうと、まるでサランラップで覆うように、残されたわずかな機能すらも閉じ込めてしまうことになります。これでは、見た目が木であっても、その家に暮らす人が木の力を実感することは難しいでしょう。
本当に快適な暮らしを求めるなら、木材にこだわるべき!
多くの建築業界では、コストや工期を優先するため、木材の乾燥方法を重視することはあまりありません。しかし、もしあなたが本当に快適で健康的な暮らしを望むなら、木材の種類はもちろん、その「乾燥方法」にこそこだわるべきです。
もみの木ハウスが自然乾燥の木材を選ぶ理由
私たち「もみの木ハウス」では、あえて手間と時間がかかる自然乾燥された柾目(まさめ)のもみの木にこだわって使用しています。
なぜなら、私たちはこの自然乾燥されたもみの木こそが、住む人にとって最高の恩恵をもたらしてくれると考えているからです。自然乾燥された木材は、まさに「生きている木」のように、家の中で呼吸し、私たちに快適さと安らぎを与えてくれます。
あなたの家は、本当に「木の家」の恩恵をフルに受けていますか?この機会に、ぜひ一度、家の木材について深く考えてみてください。