木も種類はたくさんありますが、乾燥方法と製材の方法で効果が全く異なります
木というだけでも世の中にはものすごい種類があります。
大きく分けると、針葉樹と広葉樹に分けられるのですが、そこからさらに多くの何科の何属と分類されます。
沢山の種類がありすぎて、どの木を使えばいいのか悩むことにもなりますが、木ならどれも同じだという事ではありません!!
木にも人にとっていい成分を出す木もありますが、悪い成分を出す木も中にはあるからです。
キノコでも食べられるものもありますが、食べられないものも多く存在しますからね。
食べると命を失ってしまうものさえありますので、間違えて食べてしまうと取り返しのつかないことになります。
木も同じことがいえますが、家の中に一度使ってしまうと一生その空間に暮らし続けないといけません。
木は、伐採したときには70%ぐらい水分をため込んでいます。
この水分を12%くらいになるまで乾燥させないと、製品として使用することが出来ません。
昔は自然に水分が抜けるのを待っていましたが、今では、機械で熱を加えて人工的に水分を乾燥させる「人工乾燥」が主流になってきました。
熱を加えることによって、木の細胞が壊れてしまいますので、もともと持っている木の性能を発揮することはできません。
木はいいといっても見た目が作り物の材料よりも見た目がいいだけで、本来の機能は無くなってしまっています。
今、流通している木のほとんどが、人工乾燥によるものになります。
手間暇をかける自然乾燥は、コストと時間がかかりすぎますので、時代の流れには合わないからでしょうね。
商品になるまで時間がかかるので、お金になるのにも時間がかかることになるからです。
製材の方法でも効果が大きく異なることになります。
タケノコ模様がある「板目」と、まっすぐな筋が入った「柾目」とでは木の性質や効果が大きく異なることになります。
板目は、昔から酒樽や醤油樽のように、外に漏れないようにする用途のところで使われてきました。
柾目は、お櫃やすし桶といった調湿効果を求められるところに使われてきました。
使用する用途によって、製材の仕方も大きく異なることになります。
柾目に製材するほうが、板目に製材するよりもはるかに大きな木が必要になりますし、一本の木からとれる量も柾目のほうが遥かに少量しかとることが出来ません。
柾目材は、調湿効果に優れているので自分たちが使っているもみの木は、自然乾燥の柾目の木になります。
そうなると、どうしても価格が高くなってしまいますので、年間の生産量も限られてしまいますし、流通量も限られてしまいます。
それでも使い続けるにはそれ以上の効果があるからです。
健康で快適に暮らせる家づくりには理由があります。そこまでするのを理解できるのは、暮らしだしてから、より実感することが多いということになります。